人と信頼関係を結ぶために大切な7つのこと【対人援助技術】

対人援助

介護の仕事は利用者に対して必要な援助を行う仕事です。

援助を行う際に、その利用者と信頼関係が築けているかは利用者の満足度につながる大切な要素です。

信頼関係が築けていなければ「この人にはやってほしくない!」など、介護の拒否にもつながります。

ここでは、対人援助において信頼関係を築く為に大切な7つのことについて紹介していきます。

この記事を読めば、利用者だけではなく、職場の同僚・後輩や上司、友人・知人、家族などあらゆる人間関係において信頼関係を築くコツが得ることができるでしょう。

 

利用者と信頼関係を築くことの大切さ

信頼関係

 

介護の仕事をする上で、利用者と信頼関係を築くことはとても大切なことです。

信頼関係を築けていることで、実際にどのような利点があるのかを紹介していきます。

 

 

利用者と信頼関係を築く利点

 

  1. 利用者に生きがいをもってもらえる
  2. 利用者に楽しみをもってもらえる
  3. 利用者の介助拒否が少なくなる
  4. 問題行動などの要因を把握しやすくなる
  5. 自分自身のやりがいや成長につながる

 

 

①利用者に生きがいをもってもらえる

誰かを信頼するという事は、その相手が自分を大切にしてくれていると思えることでもあります。

誰かに大切に思われているという実感が、利用者にとっての生きがいにつながります。

逆に誰も信頼できる人がいない状態は、誰にも大切に思われていないという思いにつながり、生きていることに意味を見出すことが難しくなります

 

②利用者に楽しみをもってもらえる

誰かを信頼することは、誰かを大切に思う事です。

大切に思っている人に会えることは、その利用者にとって生きる楽しみにつながります。

 

③介助拒否が少なくなる

利用者により理由は様々ですが、羞恥心からオムツ交換を断るなど、介助に対して拒否がある場合があります。

そういった場合も、信頼関係を築いていくことで、なぜその介助が必要なのか?といった話を聞いてくれるようになり、介助拒否を改善していくことが出来ます。

「聞く耳を持たない」という言葉がありますが、信頼関係を築いていくことで、聞く耳をもってくれるようになります。

 

④問題行動などの要因を把握しやすくなる

介助拒否や、暴言、暴力、大声を上げるなど、利用者に必要な援助を行ったり、集団で生活することの妨げとなる行動を行う利用者もいます。

利用者と信頼関係を築くためには、その利用者個人を深く考える必要があります。

深く考え、問題行動を起こす利用者によりそい、共感できるようになれば、問題行動の改善や軽減につながります。

共感とは?共感というと「あなたの気持ち、分かります」というのが思いつくと思いますが、ここでいう共感は、利用者の話に意識を集中し、相手に「この人なら分かってくれる」と思ってもらえることです。

身体のあちこちに痛みがあり「とても痛いのよ」と訴える利用者に、「あなたの気持わかります」と伝えても、分かるはずがないと反感を買うだけです。

「痛くて辛いんですね…」と相手の話を繰り返すことで、「そうなの、痛いのよ」と相手の気持ちに寄り添うことが出来ます。

 

⑤自分自身のやりがいや成長につながる

利用者と信頼関係を築こうとする過程で自分の言動をかえりみること、相手の言動を深く考えることが自分自身の成長や仕事のやりがいにつながります。

また、利用者に対して信頼関係を築くためのアプローチをすることで、職場の職員やプライベートの人間関係においても、信頼関係を結べるような振る舞いが身につきます。

 

 


信頼関係が築ければ、相手の生きがいを引き出し、自分自身の生きがいにもつながるよ!

 

 

人と信頼関係を築く上で大切な7つのこと

信頼に大切な7つのこと

 

利用者と信頼関係を築くことの利点を紹介しましたが、実際に対人援助で信頼関係を築く上で大切な7つの原則について紹介していきます。

この7つの原則は、アメリカの社会福祉学者のバイスティックが定義したコミュニケーション技術で「バイスティックの7原則」とも呼ばれています。

7つの原則を実践し相手と接することで、相手との信頼関係を築くことが出来るようになります。

 

 

バイスティックの7原則

 

  1. 個別化の原則
  2. 意図的な感情表出の原則
  3. 統制された情緒的関与の原則
  4. 受容の原則
  5. 非審判的態度の原則
  6. 自己決定の原則
  7. 秘密保持の原則

 

 

バイスティックの7原則は、これらの7つの原則からなりますが、難しい言葉が多いので、別の言葉で解釈をすると…

 

 

人と信頼関係を築く上で大切な7つのこと

 

  1. 相手を他の誰でもないたった一人の人としてとらえる
  2. 相手の感情を大切にする
  3. 自分の感情を把握・コントロールし目的解決の手段とする
  4. 相手の考えを否定せず、受け止める
  5. 常識や自分の価値観で、良い悪いを決めつけない
  6. 相手が決めたことを大切にする
  7. 秘密を他人にもらさない

 

これら7つのことが人と信頼関係を築くうえで大切なことになります。

それぞれについて、詳しく紹介していきます。

 

①相手を他の誰でもないたった一人の人としてとらえる

「もともと、特別なオーンリーワ~ン♪」昔に流行った曲の一節ですが、だれしも特別な人として大切に思ってくれる人には、悪い感情は抱きにくいです。

何かの提案をするときに、「あなたと似たような人がこの方法で良くなった」と伝えるよりも「今まで頑張ってきたことを知っています。あなたならば絶対できます!」と伝えた方がやる気がでます。

そして言葉の上だけではなく、その利用者が抱える問題や困難を、その人だけのものとしてとらえることが大切です。

たとえ似たような問題や困難であろうとも、その問題に至るまでの何十年という年月は一人一人違う年月を経てその問題に至っています。

問題をその人だけの問題としてとらえることが信頼関係を築くうえで大切なこととなります。

 

②相手の感情を大切にする

あなたは誰かと口喧嘩をしたり、口論になったことはありますか?

その時のことを後から考えて、感情的になっていたなと思うことはあるでしょうか?

私自身は、今まで生きてきた中でそういった経験があります。

そしてその時に感情的になって言った言葉は、自分の内に秘められた自分でも気づかなかった思いだったりします。

普段は包み隠してオブラートに包んでいる部分、その中にこそ、その人の本当の望みが隠されています。

座る位置、目線、「はい・いいえ」で答えられる質問か?言葉を引き出すことを目的とした質問か?などの工夫を凝らし、相手に感情を出してもらいます。

感情を出してもらうことで、相手が自分の抱える問題の本質をとらえやすくなります。

 

③自分の感情を把握・コントロールし、問題解決の手段とする

「②相手の感情を大切にする」で口喧嘩や口論を例に上げましたが、援助者と利用者が口喧嘩をしてしまっては、信頼関係は結べません。

そのためには、自分の感情を把握し共感・喜び・悲しみといった相手に対して向ける感情をコントロールし、内面は平常心を保つ必要があります。

どういった感情を出すのが良いのか?簡単に身につくものではありませんが、人と接する中で、上手くいったケース・失敗したケースを思い起こし、その時に自分がどんな感情で人と接していたか?をかえりみることは適切な感情表現のヒントになります。

 

④相手の考えを否定せず受け止める

相手の考えは、その方の人生経験から生まれたものであり、その方にとっての真実です。

その考えを否定するのではなく、受け止めて、どうしてその考えに至ったのかを考え、理解するようにしましょう。

人は基本的には、自分のことを否定する人のことは信頼しません。

否定から入ってしまうと、信頼関係を築くことはできません。

 

⑤常識や自分の価値観で良い悪いを決めつけない

相手の言っていることに対して、常識や自分の価値観で良い・悪いを判断し、否定的なことを伝えても信頼は得られません。

対人援助を考える際に、相手の問題を本当の意味で解決できるのは相手自身だけです。

そのため、良い・悪いに関して援助者の考えを押し付けるのではなく、相手の基準で判断してもらう必要があります。

援助をする側が出来ることは、相手の問題解決に向けてのアプローチのを補佐することです。

例えば、相手の言っていることに対して、違う角度から見るとどうなるのか?型にはまったものの見方になっていないか?などを助言し、もし間違えがあったなら、相手自身に間違っていたことを気付いてもらう必要があります。

 

⑥相手が決めたことを大切にする

問題を解決する際に、そのアプローチの方法は相手に決定してもらい、その決定を尊重することが大切です。

自分自身で解決することができれば、今後同じような問題が起きた時も同様のアプローチで対処することが可能になります。

援助者の行き過ぎた援助や、指示・命令により解決をすることは、また同様の問題が発生した際にも同様の援助・指示・命令が必要となり、自分自身で解決したことにはなりません。

 

⑦秘密を他人にもらさない

対人援助をする際に知りえた、相手にとって秘密にしたいことを他人にもらしてはいけません。

秘密をもらした事実を相手が知れば、不安になり、場合によっては怒りもわくでしょう。

 

 


7つのことを組み合わせて、相手に助言や援助を行うことで、相手にとって信頼できる人になっているはずだよ!

 

 

まとめ

対人援助において、人と信頼を築くために大切な7つのことを紹介させていただきました。

この信頼関係を築くための技法は、対人援助の仕事だけではなく、職場の人間関係、友人、知人、家族など、あらゆる人間関係においても役立てることができます。

介護職においても利用者の援助はもちろんですが、同僚や後輩、時には上司などから相談を持ち掛けられる場面は多くあります。

その際に、この記事で紹介させて頂いた、人と信頼関係を築くために大切な7つのことを頭の片隅において問題解決にあたることで、相手と信頼関係を築くことができるようになるでしょう。

 

 

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